
栽培レシピ「サヤエンドウ」Vol.1
今月の特集は【サヤエンドウ】です。
玄米アミノ酸微生物農法の栽培レシピから一部抜粋してお届けします。
サヤエンドウの栽培管理と土づくりのポイント
■ サヤエンドウは酸素を多く必要とする作物
サヤエンドウは直根が1メートル以上伸びる深根性の作物です。
特に土壌中の酸素要求量が25%以上と高く、酸素の多い土壌でこそよく育ちます。
酸素量を確保するには、微生物の働きを活かした土づくりが重要です。
■ 微生物を活かした土づくり
前年の秋に、
・乳酸菌もみがらぼかしを10アールあたり600kg
・プラソイラ(深耕機)で耕盤層を壊しながら投入
これにより、土壌が団粒化し、酸素を多く含むふかふかの土壌になります。
酸素が多い土では、根の分枝も増え、生育が良くなります。
■ 排水性の確保が重要
サヤエンドウは過湿に弱く、生理障害や病害の原因になります。
特に大雨の際、土壌が酸素欠乏にならないように、**明渠排水(溝をつける)**が必須です。
加えて、
・プラソイラによる深耕で硬盤層・耕盤層を破壊
・作土層は60cm以上確保
・停滞水をつくらない排水設計が重要です。
■ 土壌条件の整備
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土壌pHは6.5が理想(酸性に弱い)
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作土層の深さは60cm以上
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根粒菌の働きを活かすにはpH6.0~6.5が必要
<pH調整の目安(有機石灰を使用)>
※施用は種まきの1か月前までに済ませておく
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pH5.0~5.3 → 300kg
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pH5.3~5.6 → 200kg
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pH5.6~5.9 → 100kg
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pH6.0~ → 50kg
※殺菌済みの有機石灰が望ましい
■ 肥料設計と乳酸菌もみがらぼかしの活用
乳酸菌もみがらぼかしは、土壌を団粒化し、微生物を増やす効果があります。
これにより、地力が高まり、健康なサヤエンドウの育成に貢献します。
<投入量の目安>
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基肥:10アールあたり400kg(スナップエンドウの場合は600kg)
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追肥:10アールあたり100kg × 3~4回
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チッソ量:基肥12kg、追肥9~12kg(いずれもぼかしに含まれる量)
まとめ
サヤエンドウは根が深く、酸素要求量が非常に高い作物です。
そのため、
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微生物による団粒構造の土づくり
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深耕による通気性の確保
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適切な排水対策とpH調整
が欠かせません。
乳酸菌もみがらぼかしを活用し、地力を高めた酸素豊かな土壌を作ることで、健康でおいしいサヤエンドウを育てることができます。
こちらの続き、詳細は栽培レシピに掲載しております。
次回は「サヤエンドウの水分の与え方」についてお届けします!