栽培レシピ「キュウリ」Vol.1
玄米アミノ酸微生物農法の栽培レシピから一部抜粋してお届けします。
キュウリの土壌作りについて
キュウリの栽培における根の特性と土壌管理
キュウリの根は地下15~30cmに広がり、酸素を多く必要とする作物です。しかし、乾燥に弱い一方で、滞水にも弱いというデリケートな性質を持っています。適切な土壌環境を整えなければ、水分が代謝されず、栽培に支障が出ることがあります。
排水性の確保と土壌管理の重要性
キュウリは灌水量が多く必要な特別な作物であり、土壌の排水性が収量を大きく左右します。特に大雨や長雨による酸素欠乏を防ぐため、明渠排水や深耕といった対策が重要です。ハウス栽培では、周囲に明渠排水を設けることで過剰加湿を防ぎ、生理障害や土壌病害のリスクを低減します。
深耕にはプラソイラを使用し、硬盤層や耕盤層を破壊することが効果的です。これにより通気性や排水性が向上し、酸素供給が十分に行われます。一方、ロータリー耕だけでは耕土が浅く、排水性が不十分なため注意が必要です。
乳酸菌もみがらぼかしの活用
乳酸菌もみがらぼかしは、土壌を団粒構造にし、微生物を増やす効果があります。また、地力を向上させ、キュウリの健全な生育を助けます。基肥と追肥に適した投入量は以下の通りです:
・基肥:10アール当たり500kg
・追肥:10アール当たり200kgを2~3回
チッソ量としては、基肥に9kg、追肥に6~9kgを目安に投入します(もみがらぼかしに含まれる量を含む)
PH調整のポイント
乳酸菌もみがらぼかしを使用する際には、同時に有機石灰をすき込んで土壌のPHを調整します。適正量の目安は以下の通りです:
・PH5.0~5.3:300kg
・PH5.3~5.6:200kg
・PH5.6~5.9:100kg
・PH6.0以上:調整不要
※使用する有機石灰は、殺菌処理されたものを選ぶことが推奨されます。
キュウリ栽培では、適切な土壌管理が収量と品質を大きく左右します。排水性の確保や乳酸菌もみがらぼかしの活用、PH調整を行うことで、キュウリが必要とする水分と酸素のバランスを整え、病害リスクを減らすことができます。効率的な土壌管理で健康なキュウリを育てる環境を整えましょう。
こちらの続き、詳細は栽培レシピに掲載しております。
次回は「キュウリの水分の与え方」についてお届けします!