「夏枯れ」はなぜ発生するのか・・・?
葉に残ったチッソが、樹を内側から焼く!
「夏枯れ」というのがあります。暑さで樹が枯れてしまうことです。最近は多発しています。海水温は高く、北極の氷床も小さくなっています。これからも夏の気温が低くなることは考えにくいのです。夏枯れはもっと広がるということです。
なぜ夏枯れになるのでしょうか。大きな原因は二つです。一つは根張りが弱いこと。根が浅いと、水を吸い上げる力が細くなってしまうのです。もう一つは、もっと大きな理由です。茎や葉に残ったチッソ分です。
チッソは、樹を「軟らかく、大きく」する成分です。チッソが多いと、細胞壁の薄い、水っぽい葉が茂ります。葉が茂れば、蒸散して出ていく水の量は増えます。ところがチッソ過剰は、根の伸びを抑えてしまうのです。養分が地上部にばかり回り、地下にまわらないからです。出ていく水は増え、吸い上げる水は減る。この差が開いたとき、樹は真夏のたった一日で焼けるのです。
しかも硝酸態のチッソは、それ自体が強い酸化剤です。硝酸カリウムは火薬の原料、硝安(硝酸アンモニウム)は大爆発を起こす肥料として知られています。強い日射と高温のもとで、葉に残った硝酸が細胞を酸化して壊していく。葉焼けとは、いわば体の内側から起きる「酸化の火事」なのです。
周囲の山に生えている野草を見てください。誰も肥料をやっていないのに、なぜ枯れないのでしょうか。肥料が多いほど、夏枯れをするのです。足りないことより、多すぎることのほうが、樹を枯らすのです。
夏枯れするかどうかは、真夏に決まるのではありません。春先の施肥設計と、根をどれだけ深く張らせたかで、すでに決着がついているのです。猛暑は来年も続きます。夏枯れを終わったことにするのではなく、対策は今から立てないと間に合わないのです。異常気象は恐ろしい!
玄米アミノ酸微生物農法 神保信一